織姫たちの喜怒哀楽

織姫たちの学校1966‐2006―大阪府立隔週定時制高校の40年

織姫たちの学校1966‐2006―大阪府立隔週定時制高校の40年

泉州地域にあった隔週定時制高校で勤務した経験のある教師が、
その歴史と様々な人間模様を書き綴ったものである。
中学卒業後、泉州に展開していた繊維工場に勤務しながら
交代制の勤務に即した課程教育を行う隔週定時制高校に通う、
織子・女工が居た。著者は彼女らを織姫と呼び、
学校を織姫学校と銘打っている。
学校に来る織姫は、過酷な勤務と疲労に圧迫される学校生活の中で、
得がたい経験や想い出、あるいは事件や転落の憂き目に遭遇する
数知れぬ人生ドラマがあったらしい。


時代と共にその模様も変遷していくが、織姫には通常でない境遇や
家庭環境、人間関係、職場との関係、異性の問題など
二十歳になる前に、生々しい人生劇場があった。
隔週定時制高校には、通常の定時制高校とは異なる、
学校と企業、学校と教師、世間と欲望、希望と絶望が混沌と絡み合った
存在であったのだろう。


この隔週定時制高校は、2006年まで続いている。
自分の住んでいる地域に、そうした学校があったことに驚きを覚えながら、
一気に読み終えた。
当初は悲哀に満ちた織姫の人生ドラマが書かれているのかなと思ったが、
エピソードとして、学校に限らずにそのころの年頃の女性を取り巻く内容、
そして時代の変化や、特殊な境遇があったことをよくよく知ることが
できるという意味で、興味深く読めた。


最近は院生らしく、本を一気に読める癖がついてきた。
英文読解の内容発表も難なくクリアすることができ、
誕生日である今日を、まずまず平穏に過ごすことができた。
21時52分下校
22時31分帰宅