不毛地帯

ドラマ「不毛地帯」を全話鑑賞した。
主人公のモデルは瀬島龍三だが、それを語るそのままの物語ではない。
主人公の壹岐正は、かつて大本営の参謀として作戦立案を担当、
終戦により満州関東軍武装解除を命じに行くが、
シベリア抑留という体験を経て日本へ帰国する。
近畿商事からの誘いで軍人から商社マンへ転身するが、
その分析力と判断力に優れた頭脳を活かし、経営戦略を立てて、
近畿商事を大企業に押し上げていく。
その中で壹岐の様々な苦労が語られるのであるが、
組織という壁には、相当苦労する場面が多い。
作戦を立案し、それを実行することの難しさ、
組織というものが絶対的に全ての利益を得るという目的も持つとは別に、
個々人の利益の駆け引きも蠢くという矛盾。
組織にドップリ浸かった人間には、壹岐の苦悩は理解できないんだろう。
壹岐は最後まで戦争責任とシベリアでの体験を
人生から切り離して考えることはできなかった。