大学から大量の本や資料を持って帰るようになるので、
部屋のスペースを空けなくてはならず、
今日は思い切って大掃除した。
その後学内へ行って所用を済ませる。
時間の合間に教授から貰った本を読んでいた。
矢野牧夫ほか 『石炭の語る日本の近代』 そしえて文庫 1978年
石炭と言えば、戦前期の主力産業とか軍艦島、エネルギー革命による衰退
とくらいしか即座に思いつくのみである。
石炭産業がどのように日本で始まり、その生産の時代の趨勢から
企業と労働者の関係、友子同盟という一種独特の炭鉱労働者組織、
生産効率た掘削方法、事故の様子についてなどという
ことについて分かりやすく書かれている。
とりわけ北海道の石炭産業を中心を取り上げている。
炭鉱というと、山本作兵衛の絵がユネスコ記憶遺産に指定させた
ことをよく覚えている。
山本作兵衛は福岡県の炭鉱労働者であった。
http://www.y-sakubei.com/index.html
https://www.youtube.com/watch?v=h0vGcsaY5is
この前、教授と「アンチものづくり論」について議論したのだが、
技術を用いた労働や継承、技術と時代の趨勢との関係には、
必ず「犠牲」という運命も付き纏うという話をした。
一般的に持ち上げている「ものづくり」は抽象化したのものであり、
最先端のもの、熟練したものとしての単純な評価でしかない。
技術の進歩は、熟練を不要とする時もあるし、
数限りない見えない技術的労働の蓄積で支えられ継続するのである。
その中の「犠牲」について、その本でいろいろ考えることがあった。
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