過負荷

 今の大学2回生(年生)は、ちょうど成人式を迎える歳頃である。
大学生、高卒就職組、自由人などと、それぞれに立場は異なるが、
年金や保険、税金といったこと如実に迫られる時になるのである。
意外と、というよりは当たり前なのか、今の大学生は
年金とか保険という事柄についてあまり関心がないらしい。


 いずれ継続した年金の支払い期間の必要性(25年)は無くなるだろうが、
免除されても追納しなければ年金査定額に反映されない。
ある程度、稼げるのであれば確定申告とかすれば税金も返ってくる。


 いろいろ事情はあるにせよ、年金や保険といったことの知識は、
非常勤などのパートタイムや、いつ会社がヤバくなるか、
転職しなければならなくなるかという雇用の流動性が顕著になっている
日本社会の雇用情勢においては、よくよく知っておいて損することはない。
「社会政策論(経済学)」とか「社会保障法(法学)」といった講義は、
受けて(聴いて)おいた方がいいと、いつもよく感じている。


 離職してすぐに雇用されれば面倒なことはないが、
離職して、ある一定の期間を経て別のところへ雇用される場合、
圧倒的な勢いで年金やら保険やらの鬼のような選択と手続きがある。
正直、これには俺は何度か参りかけたことがある。
正規で雇用されて何年も居ることが、いかに楽かとよく思う時がある。


 年金が本当に貰えるかどうかということはどうでもよくて、
払わなければという方向になっているのが今の制度である。
医療負担が1割から3割(国保と厚生の差が消滅)、消費税の導入とその上昇、
年金納付額が段階的に上がる、少子化の責任を押し付けられる、
定年が60歳から65歳、いずれ70歳となることも変ではない。
80〜90年代を若く生きてきた世代にとっては、辛いことばかりである。
あのバラ色に夢みた日本社会は、もはや無い…のか。