前照灯・すれ違い灯

今は、陸運局の検査(車検)でライトはロービームで検査するという
ことがあるらしい。最近は検査にいってないので実際どうしているのかは
分からないが、対象とされる車種は適用で、
それ以外は変わりなしなのだろう。


それまで、通常の検査ではハイビームで計測されていた。
だからハービームにして調整して検査ラインに入る。
しかし、ハイビームで調整したライトは、
ロービームにするとズレるので、検査終了後は元に戻すことがあった。
つまり、検査を通しても何も変わらんかった(検査に通ればそれでいい)。
最近のライトは反射板(リフレクタ)の使用で(ライトの全面にカットが
ない透明なやつ)、これの調整が難しくて、しかも調整のギヤとかが
プラスチックやヘンテコな仕掛けなので、潰れてることが多かった。
そんなことで、ライトの調整は余りやりたくないものであった。


ハイビームは前照灯、ロービームはすれ違い灯というのが
法律上の規定であって、これは街灯が少なかった昭和期の道路事情の
名残をよく表している。


検査を業務でやってた頃は、前照灯であろうと、すれ違い灯であろうと、
真っすぐ照らせるようしつつ、やや左へ片寄らせた。
あと、ライト全面のプラスチックはボケてるので、
それを磨いたら光度は随分と上がる。
リフレクタ仕様の近年のライトは、最初の見た目は綺麗なのだが、
だんだんと内部がくすんだり、全面の表面が汚くなる。
安物のプラスチックを使っているし、
分解整備できないアッセンブリな部品なので、致し方なし。

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【ビーム使用を…横断死亡96%が「下向き」】

 歩行者が夜間に道路を横断中、車にはねられた昨年1年間の全国の死亡事故625件のうち、96%の車のライトがロービームだったことが警察庁の調査でわかった。

 同庁はハイビームを使っていれば防げた事故もあるとみており、21日から始まる秋の全国交通安全運動の重点項目としてハイビーム使用を呼びかける。

 近年、交通事故による死者は減少傾向にあり、昨年の交通事故の死者は4117人。このうち、自動車や自転車などに乗っていた死者は2571人で、過去10年で46%減少した。一方、歩行中の死亡者は1534人で28%減にとどまるため、同庁が歩行者の横断中の事故に絞って初めて集計、分析した。

 夜間の死亡事故625件では、ロービームが597件を占め、残りはハイビーム9件、補助灯6件、無灯火13件だった。

 ロービームは40メートル先までしか照らせないため、歩行者に接近するまで気付かないことが多い。日本自動車連盟(JAF)の実験では、5人のドライバーが夜間に障害物のあるコースを時速80キロで走行したところ、障害物に気付いて停止できた場所は、100メートル先まで照らせるハイビームが平均82メートル手前だったのに対し、ロービームは平均5メートル手前だった。

 昨年の死亡事故が213件と、都道府県別で最多だった愛知県では、夜間の歩行中の死亡事故50件のうち、ハイビームは1件だけで、残りはロービームや消灯だった。同県警の検証では、このうち26件でハイビームを使っていれば、ドライバーも歩行者も互いに早く気付き、命が助かった可能性が高いという。

 警察庁の担当者は「ハイビームが目に入るとまぶしいため、ロービームで走行する人が多いとみられる。その遠慮が死亡事故につながってしまっている」と分析する。

 ヘッドライトの使い分け方について、道交法52条は、対向車や前を走る車があり、そのドライバーにハイビームの光がまぶしく安全な交通を妨げる恐れのある時は、ロービームを義務づけているが、同庁の担当者は「歩行者を早く発見するために原則ハイビームで運転し、明るく対向車が多い市街地では、状況に応じて切り替えてほしい」と話す。

 普段はハイビームを使い、歩行者に気付いた瞬間にロービームにすることで、歩行者の目に入る光量が変わり、車の接近を早めに知らせる効果も期待できるという。


読売新聞9月21日(水)

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