海水から金


明日が祝日ということを何となく忘れていた。
それで当日に仕上げておかねばならない事が多くあって、
結構長く残業していて、学内へ着いたのは結局20時前だった。


気候の歴史

気候の歴史

マウンダー小氷期についての解説や批判があって有用。
もうちょっと時代を絞って気候と人間について調べるなら
以下の本が良かったのだが、また次回にする。
気候と人間の歴史・入門 【中世から現代まで】

気候と人間の歴史・入門 【中世から現代まで】

歴史を変えた気候大変動 (河出文庫)

歴史を変えた気候大変動 (河出文庫)


こちらの本は既に借りて読んだのだが、
全般的にざっくり書かれてある内容である。

気候文明史

気候文明史

特に小氷期と人間社会の関係について幾つか展開されている
ところがある。ただ、小氷期が近代的知性の発展の温床になったという
ことや、農業革命の機会を生んだというところについての解説は
面白いのだが、研究本と比較すると説得性が少々足らない感じがした。
参考文献と併用しながら読むと、より納得いくのではと思う。


NHKのドキュメンタリーを書籍化したもの。
写真等の資料豊富で楽しめるシリーズ本である。
海水から金を抽出する技術、海水の中のレアメタルの存在というところは、
理論的には可能なことなのだが、やはりコストの問題と
効率的に抽出できる技術革新によるものらしい。
レアメタル(俗に言う精密機械に必要な希少資源)は兎も角として、
金はびっくりするほど少ない量しか人間の手元に存在しない。
そこらへんの事は『元素図鑑』に興味深々に書かれてあったな。
つまり最初っから限られた量の金をアーヤコーヤと右から左へと
持って行くことで世界の取引における価値が動いているのである。
第一次大戦の敗北で多額な賠償金を背負う羽目になったドイツは、
負債の解消と国富の増大を見込んで、海水から金抽出という
プロジェクトを立ち上げたが、なかなか上手く成功できんかった。
追い詰められた結果としてナチスが台頭する略奪国家へと
突き進んで行ったのだが、仮に計画が大成功して、
金の量が世界的に爆発的に増えたら、金の価値が下落しまくって
経済社会はより大混乱になるんじゃないかとも言えるかな?
あと深層海流やメタンハイドレートの項も面白い。
学情にはこの映像資料もあったのでメディアコーナーで観れる。


21時57分下校
23時37分帰宅