2部の怪異


1限目「社会経済論特殊講義」。
柳田國男リベラリズム大正デモクラシー自由主義の開花と、
軍国化する時代の中での自由の消滅について。
柳田國男民俗学者として、よく知られている。
その前に彼は農政官僚であり、行政において農村の実態をよく知っていた。
そうしたフィールドワーク的な農村の様子を観察した経験から
日本民俗学が創始され、こんにちの基礎になっている。
真の公民であるべきために、郷土についての知識や愛着を
啓蒙化することこそ、自由主義の道に繋がるという柳田の理念と
それを紹介した講義は、いろいろと勉強になった。


2限目「政治学特講」。
医療制度改革における項目別諸問題や研修医制度化改革など。
医者は大学を終えるまで、専門という技量は研修で取得すると
聞いたことがある。専門性として大学で勉強はするが、
臨床という現場に即した技量取得は現場であるようだ。
まぁ、どのような職業でもそのような感じである。
幾ら設計図や化学理論を学んだからと言っても、
制動機すら分解できない、エンジンの組み立てもできない、
ブツを見て過去にどのよううな経緯や予期症状あったか読めない。
技術屋でも、同じことがあった。


放課後はすぐに帰る。
実行委員長と年末の話をしつつ、2部サークル棟に居たが、
誰も居ないココは不気味であると感想を述べていた。
俺も既に経験済みで、記念祭関係とかで賑やかなときは良いが、
誰も居ない2部サークル棟は極めて不気味なのである。

前に延長届を出して、役得で居残り自習をしたことがあるが、
あまりに不気味で、すぐに退散したということがあった。
霊感はない俺なのだが、さすがに耐えられなかった。
だから、2部サークル棟には様々な因縁や言い伝えや伝説がある訳だ。
過去にいろいろな事があった2部棟。
Ⅱ部サー協の言い伝えによれば、青春の光と影、光明と闇、希望と絶望など
様々な人生模様が繰り広げられた場所である。
妙なことをして祟られないようにしましょう。
21時38分下校
22時03分帰宅