資料としての絵葉書


「(大阪名勝)堺大濱燈台ノ夕照」


出所は「文化歴史資料館・郷土誌料研究所」というところなのだが、
種類も数も多くて、興味深く閲覧している。
http://www17.ocn.ne.jp/~bunka/


上記写真は、大正か昭和初期と思われるが、こうした風景絵葉書は
多くあり、全てを網羅することさえ困難なくらいだ。
戦前の絵葉書資料は、随分と個人的地域研究の肥やしになっている。
絵葉書の風景の現在の姿は↓である。


戦前期の絵葉書は、当時の風景の対象・見方・状況・風俗などを
調べる点で大いに役立つものである。
昔の人も、海岸から見る夕日の沈む美しさに酔い痴れたのだろうか…。
今となっては、砂浜に寄せて引く潮騒の音も、独特の磯の香りも、
そして大胆に地平線に沈む夕日も見ることはできない。

生まれた時には、既に砂浜は埋め立てられ、工場が立ち並び、
煙モクモクのヘドロの悪臭と排煙まみれの堺大浜の海岸であった。
絵葉書のような風景を、一度どんなもんだったか見てみたかったと思う。


しかしながら、一部に当時の海岸が残っている所がある。
はっきりとした確証を得ていないが、これが唯一残された砂浜であろう。
遠くに埋め立て工業地帯が見えている。潮の循環や寄せて引く波もないので、
磯は埋め立て前とは異なる。場所は探してみて欲しい。