大学の図書館「学情」は8月11〜18日までお休みである。
という訳で、堺市立中央図書館まで資料を漁りに行った。
- 作者: 北井一夫
- 出版社/メーカー: 長征社
- 発売日: 1981/11
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随分前から写真家たちや、現在ではアマチュアが撮影している新世界界隈だが、
こうしてマジマジと見られる写真集は数少ない。
本書には新世界だけでなく、釜ヶ崎、山王町、飛田の写真もある。
1980年頃なら、今のような観光地化された風景でもなく、
リスキーな印象を大阪の住む人間が根強く持っている時代であった。
1980年頃の新世界国際劇場
2013年の新世界国際劇場
この本の中に、すっぽんのオバチャンの写真があった。
自分がこの地を訪れた頃には、既に営業はしていなかったが、
オバチャンは健在であった。キワドイ看板と垂れ下がる軒がインパクトあった。
(2008年3月16日撮影)
軒もいよいよ危なくなったので、看板ごと撤去してしまったが、
オバチャンは屋号が入ったこの看板だけは大事にしたいと言っていた。
(2008年4月12日撮影)
(2008年7月6日撮影)
しかし、この年くらいだったか、オバチャンは他界された。
そして数ヶ月して建物も解体され、今はコインパーキングとなっている。
オバチャンとお話したのは、ほんの数度であるが、新世界のひとつの
歴史に実際に触れたという意味で貴重な経験ができたように思う。