学内の昼、非常に閑静としている。
来週から後期試験なので、みんな最後の授業に出ているのであろう。
1限目「西洋史通論Ⅰ」。
ハプスブルグ帝国にボスニアが入ったことで起こる帝国一体性への危機、
そして複雑なボスニアとオーストリア、ハンガリー内にある民族関係から、
アウスグライヒ体制を保つ施策を紹介する。
最初は難しかったが、ハプスブルグ帝国と他の国家との違いや
特異性を知ることができた。
試験では、シッカリと論点を押さえておこうと思う。
2限目「国際経済法」。
セーフガード、貿易救済措置について。
この試験が最も難関のような気がする。試験までにフリーな時間があるので、
本番まで限界いっぱいまでレジェメに載ってる事例を詰め込んでおこう。
今日は生協で本を買った。
本の存在を知ったのは2〜3日前の新聞の書評だったんだが、
これは図書館に置いてなさそうやな〜と思いながら
記憶に留めておいただけだった。しかし散歩気分で生協書籍部に行くと、
新聞の紹介記事と共に、数冊山積みされていたのだった。
- 作者: 井上理津子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2011/10/22
- メディア: 単行本
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ざっと目を通して読んだが、よくぞ取材して書いたなと思う。
飛田で女がウロウロする事自体、飛田では有り得ない話なのだ。
その反面、未成熟な部分や、噛み砕けていない内容が目に付いた。
しかしながら、飛田新地という極めて特徴ある場所を、地道に取材して
明文化したという点では評価すべきだろう。
飛田新地も入れて、西成の山王地区、新世界などは、
日本国内でも非常にディープで煩雑とした地域である。
大阪でもこの地域は特殊な地域であるという認識が強い。
常識の枠を逸脱した、自由な雰囲気を醸し出すところだ。
放埓(自由奔放)である分、禁忌(タブー)も存在する。
某所のハッテン場、某地区の妙な取引、釜ヶ崎の越冬などであるが、
飛田新地の内情も、そのタブーのひとつなのである。
本書では、正攻法な論理(例えば売春)をぶつけて飛田を理解しようと
していることや、著者が女性であるため、現場の実情を知るために、
情報(上がった客の経験者談)をそれなりに苦労して得た点については、
特異な地域のルポだから仕方ないなど含めて、どうしても内容の浅さを感じた。
だが、殆どの人は飛田新地について具体的なことを知らないし、
今まで基礎的なことを表したものがなかったんで、飛田を知るという機会を
形として表したことについては珍しいものがある。つまり貴重なのである。
噂で飛田を調べてる研究者(これが著者なのなかどうが別として)が
居ると聞いたことがあるが、未だに誰も知ってるけど知らない地域なのである。
自分としては正直、何かを形にすることについて考えさせられた気分だった。
およそ1年余り、新世界の近くで勤務していた時期があったが、胃が痛かった。
しかしまたとない経験も得た。遊びに行くのはいいけれど、
拠点とするには、もう勘弁してほしい。良かったのか、悪かったのか…複雑。
22時00分下校
22時30分帰宅