狼男と麦角菌


狼男アメリカン An American Werewolf in London
1981年 アメリカ映画


この映画は結構インパクトがあった。
狼男の殺された人間の魂は昇天せず、生身の体を持つ幽霊として
狼男である人間にまとわりつく。(他には見えない。)
生きた死体は日を経るごとに腐敗していく。
狼男である人間が死なない限り、幽霊となった彼らも死なないのだ。


この狼男の伝説は、中世ならではの伝説だが、
実際に狼に変身するとかと言うより、狼男と言う伝説を
作り上げた原因はいろいろとあるようだ。飽くまで一説だが、
その中でライ麦に含まれる麦角菌の作用が、尋常ならざる行動を起こし、
非科学的な見識と判断をもとに伝説として肥大化したというものがある。
暗黒の中世と呼ばれる時代も、科学的な目を持って解き明かそうとすると
結構面白みのある時代なのである。


それにしても、人間の心の裏側、損得と面子、ホントとウソ、
噂の中の真実と真実の中の詭弁というのは、
いつの世でも変わりなく存在する。