ワシントン椰子


午前に上級講義と途中まで院講義、大学史資料室で調査と、
その後は報告書に載せる文書の校正のため研究室を訪問。
今日はじめてメシ食ったのは19時過ぎだった。

大学百年史を読んでいたらワシントン椰子の記事があった。
植えられた経緯がよく分からないと言われる椰子の木だが、以下抜粋。

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『キャンパスの樹木2 ワシントン椰子』

 本館前ひろばは、ある意味では大学の顔でもあるのだが、
中央の芝生の外縁をぐるりととり巻く30本のワシントン椰子は
ちょっとした景観である。
 …そのほとんどがロブスタ(セダカワシントンヤシ)といわれる種だが、
よくみると、3本だけ幹が太く、裂けた葉片の緑が白く
毛むくじゃらの変わりものがあり、これはフィリフェラ種
(オキナワワシントンヤシ)だ。ロブスタほどの背丈けにはならない。
これらはいつごろあの場所に植栽されたのか。
正確な記録はないが、本学の管理課園芸室によると、1957〜59年
(昭和32〜34)ごろに植えられたようだ。
これらは卒業記念植樹であり、
苗木の大きさは、高さ50〜60センチメートルの
鉢植えものであったというから…。
 時計台籠城のめぐる攻防があっとたとき、いくつかの椰子は火炎ビン
によって黒焦げのヤケドを負った。
 …椰子といえば、ずぐさま椰子の実が眼に浮かぶ。
ものの本によると、果実は意外に小さく、
長さ・巾とも1センチメートル内外でロマンをかき立てるにはほど遠い。

乾きぎみの軟い果肉は甘いとあるが、
それにありつくべくあの垂直の柱をよじ登る人をみかけたものはだれも居ない。
(1986年7月記 原子力基礎研究所教授 藤野明)

【出所】大阪市立大学百年史 全学編上巻 1987年

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どうりでデカイ椰子の実が落ちてこない訳だ。
ひたすら伸びるようだが、運と管理が良ければ
時計塔並みの高さになるかも知れない。
注:ロブスタというと「ワシントンヤシモドキ (Washingtonia robusta)
牧野新日本植物図鑑では「オキナヤシモドキ」であるようだ。