ハンコ拒否


随分前に信州で手彫りの印鑑を作ってもらってて、
いつこれを使おかと悩んでいた。
実は、コンナ動物入りの印鑑でも実印にすることができると
造り主から聞いたが、さてどうなんやろ…。


社会に出ると印鑑はよく使うし、常備している。
高校教員なら怠勤簿のハンコ・TAなら出勤確認のハンコ、成績原票にもハンコ、
履歴書や申請書にもハンコ・ハンコ・ハンコである。
最近はこの印鑑が省略され、例えば源泉徴収票や確定申告での最終印も
省略された。
随分前から某省庁関係の登録業務でも、
書類に社名・住所・氏名(代表者)がワープロで印字された場合は、
印鑑が必要で、氏名(代表者)の欄が直筆であった場合は印鑑ナシでも可と
なっていた。だから、印鑑をもらうのが面倒な場合は、
窓口へ出す人間がテキトウに書いて出すということがよくあった。
日本でもサインという形が行政の業務でも通常に扱われている傾向にはある。
それでもハンコの需要は相変わらず大きいのが日本のシステムである。


こうしたテキトウなハンコの実状とは裏腹に、ハンコは時として
恐ろしい効力を発揮することがある。例えば連帯保証人。
だから、ハンコの押印とカネの貸し借りは社会に出ては十分すぎるほどに
注意をするようにしている。


かといって、社会では清濁併せ呑まなければ何とも致し難い事情もあって、
ちょっとヤバイことへの認証にハンコを押してしまうこともある。
そうした場面は、飽くまで水に流す程度のことなのでよくある話。


世渡り上手がこの世で生き抜く術でもあるのだろうが、
この前、ある事柄でハンコ押印を拒否した。
先方の実状はよく分かるのだが、不合理であったので毅然とお断りした。
職場の空気が一気に変化して居辛くなったが、絶対にハンコは押さないよ。
テキトウにハンコ押してニコニコして…
高いギャラとテキトウな仕事して…
問題が出たら即退散して知らぬ存ぜぬ…
上がやったことで知らんと責任回避して…
伸う伸うと甘い汁を吸えばよいのに、まだまだ青いな…俺は。