不可能を可能にするということ

あるお仕事で画像処理をしていた。
論文は大概モノクロ印刷なので、モノクロに対応した図や写真でないと
印刷・掲載された時に十分な資料として見れるものではない。
今回は、モノクロで段階的差異を表現するということで、
随分と難渋した。
白と黒との中間をこと細かく段階的な区分を示すことはできる。

白と黒。これが明度(逆に透明度)で差をつけると0%か100%
(またその逆)となる。5段階となると、
単純に0%・25%・50%・75%・100%となる。
それが7段階あるいはそれ以上になると区分することが難しくなる。
というのも、最終的に印刷してちゃんと段階が見えるかという
物理的な問題が出てくるので、最も段階が区別できるモノクロの明度は
どこまで区分して表現できるかという難題に直面するのである。
そこで、さまざまに実験と計算をしたところ、
モノクロによる段階的差異を7段階で表現する場合、
0%・10%・5%・50%・65%・80%・90%、あるいは
0%・20%・35%・50%・65%・85%・90%という域に辿りついた。
なぜ、真っ黒けの黒が100%でないかというと境界線が黒で、
100%の黒が集積すると画像が潰れるからである。

物理的な結果を踏まえて、先の標準値に±1〜3%程度を加味しながら、
結局、ものすごく微妙な差異をもって完成させた。
さすがに7段階のモノクロ対応には苦労したが、いろいろと勉強になった。
(パターンの案もしたが、様々な経緯で止めにしている。)
兎に角、不可能を可能にするということは、私の命題であるが、
そうしたことは、いずれにしても苦労が多いことなのである。

Corel PaintShop Pro X9

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