熊野の観光とその表象


だいたいの所用を終えた。あとは細かい調整事だけ。


論文のことだが、熊野の観光が政策および制度よりどのような変遷があり、
それが観光地熊野の表象として歴史的観点から見られるかという内容。
表象ってな語句が独特で、記憶の再現とかイメージの表面化というか、
哲学的な言葉なんだろうけど、地理学でも一種の専門用語なんだろうな。
英語ではRepresentationである。

熊野というのは南和歌山の地域的表現名称なんだが、世界遺産にしても
熊野のみをターゲットにしているのではなく、吉野、高野、本宮、那智まで
国立公園ではそれに新宮、潮岬に至るまでの広範囲で点在する領域を含めた
大きなもので、なかなか珍しい。


和歌山全域、奈良県南部、三重県南東部という日本最大の半島である
紀伊半島は果無(ハテナシ)山脈というところがあるくらいの山々が連なり、
黒潮洗う熊野灘というように壮大な海原が広がるという自然の宝庫である。
また高野密教、大峰修験道熊野三山など文化的要素も高い。


癒しの空間という現代の和歌山観光のテーマともなっている場所は、
私にとっても人生の垢を落とす心和む場所なのだ。
最近は半島を縦貫する高規格道路の建設や、世界遺産関連の観光地整備事業
が急速に進んでおり、観光だけでなく生活や経済という面での便益を
よりいっそう増そうとしている状況にある。
まさに紀伊半島は交通や経済だけでなく観光や歴史価値、自然環境といった
分野を含める社会現象として、今後は捉えることが多くなるであろう。


論文は、ウチの大学でドクターを取得した某国立大の先生である。
今度、学情で論文閲覧でもしてみよう。